防衛省は、戦闘機に搭載する「長距離巡航ミサイル」の導入を決めた。このミサイルは、コンピューター制御によって超低空飛行や迂回飛行で敵の迎撃を避け、確実に標的に命中させることができるという。射程は900キロ、政府は公式には認めていないが、これは、間違いなく遠方から敵のミサイル基地をたたく「敵基地攻撃能力」の保有だ。
小野寺防衛大臣は「発射前のミサイルを無力化するのが一番確実。相手の領土にまでとどく装備を持たなければいけない。」と言う。しかし「発射前のミサイルの無力化」などあり得ない。いくら「先制」ではなく「反撃」であっても、実際に北朝鮮のミサイル基地を攻撃して「北朝鮮の脅威」を取り除けるはずがない。それどころか、残存戦力による容赦のない「報復」につながることは容易に想像できる。

石破茂氏は「ミサイルが200基配備されているとして、2つ3つ潰して、あと全部降ってきたらどうするのか。」と言い、浜田靖一氏は「敵基地攻撃ができるということになれば、その後に来るものはいったい何か。」山崎拓氏も「日本が仮に攻撃能力を持てば、北朝鮮の基地をたたく能力にはとどまらない。周辺国でなくても反発する」と批判し、積極論者を「基礎的教養に欠けてる」と言い、歴代防衛大臣は「敵基地攻撃能力」の否定論者ばかりだった。
安倍政権は危険だ。