四国電力伊方原子力発電所は、細長い半島に位置し、事故時には住民避難も収束作業も支援も困難な立地であることは、誰の目から見ても明らかです。でも再稼働しました。
住民避難計画では海を渡って大分などに避難するという計画です。尾根筋を走る一本の国道以外、道は細く険しく、事故に備えて進めている道路拡幅は未完成のままです。地震が起きたら道は寸断される可能性が高く、港まで避難できないことを住民は知っています。でも再稼働しました。
原発は険しい半島の岩場を切り崩して、埋め立てて造りました。敷地に余裕はありません。福島のような高濃度汚染水問題が起きても、保管するためのタンクの置き場も確保できません。でも再稼働しました。
四月の熊本地震は、九州から四国を通って本州に至る活断層「中央構造線断層帯」に沿って発生しました。この同じ線上にある伊方原発に対して、住民からますます不安が広がっているのは当然です。でも再稼働しました。
暑い日が続く中でも四国の電力需給は安定しており、無理をしてまで原発を動かす大義は見当たりません。でも再稼働しました。

「新規制基準を満たせば、事故はある程度で止まる」そんな危うい仮定など、信じられる訳がありません。